キーケース ATW_Key Case

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普通は避けたがる2.5mmという極厚。普通では考えられない「シェリダンスタイルと西陣織」。普通に考えて奇妙に高度なカービング技術。間違いない…これを作ったヤツはぜったい普通じゃない。当社「ココショク」スタッフが、お宅に伺って取材させていただきました。当のカービング職人 濱崎誠也さんは、実際にお話しするとかなりの癒し系男子。(あと……ちょっと天然)お米のおいしい滋賀県甲賀市にお住まいの、革とカントリーを心から愛するカービング職人さんです。作業場にしている一室は、ちょうど縁側の窓が小道に向かって明るく開けていて、取材中、近所の子どもが何度も窓越しにのぞき込んできたり、犬(たしか白いコッカースパニエル)を連れたおばさまが身振りで挨拶していくのが見えたりと、いやはや、実にほのぼの……生粋の滋賀県民らしく、どんな話題にでもにこにこして、少しはにかみながら答えてくれる濱崎さん。お宅のすぐ近所のカーブのお話。(ナビはしつこく曲がれというけど、どう見ても罠にしか見えないあぜ道)東京で行われた某ハンドメイドフェスタに出展したときのお話。(行く気0だったのに、朝五時に不意打ちでやってきたマネージャーの白いバンによって強制連行)滋賀県名産の近江牛や琵琶マス、地元野菜がほんっっとに美味しいという私たちのコメントを聞くと、そこはやっぱり地元民、まんざらでもないご様子。…しかし………何といっても濱崎さんは、根っからのカービング職人。話題がいったん「レザー」に移ると、次から次へと逸話が出てくる出てくる。(その逸話のひとつなんですが…… 実はこの人、レザー製品超大手『FU〇NY』お抱えの職人さんなんです。 つまりあの謎めいた技術の高さは、十数年にわたる正統派のカービング経験の結果。 …大きな声で言うとどこかから怒られちゃうかもしれないので、こっそりカッコの中で。)お知り合いのお坊さんに頼まれて、『鹿革で袈裟をつくった』こと。長年「師」と仰いできたお人に『おまえもう弟子やめろ。俺よりうまくなりやがって、むかつく』といってあっさり破門にされたこと。これは多くの「革キチ」さんたちもそうですが、あるレザー品に惚れ込んでしまうと、それを買えば今月はおろか来月の生活まで破綻してしまうと頭では分かっていても、結局はフラフラとお会計に行ってしまうこと。そして極めつけは……「これ、こんなん作ってみたんですけど」そういって二階から持って降りてきたのは…『仁王様の絵』。もちろん、描いているのはキャンバスや画用紙ではありません。ハーマンオークレザーに「カービング」と「顔料」で描いた『超立体、仁王様』。仁王様もいかついですが、その所業のほうがよっぽどいかついです。ところで『革で袈裟』。『カービングで仁王』。そろそろピンときた方もいるかもしれませんが、お抱え職人としての仕事の傍ら、濱崎さんが「取引先のレシピではなく、自分のレシピで」作るこのシリーズは、だから『カービングと西陣織』なのです。単に奇をてらったのではなく、もともと「和」と「洋」を「革」の上で調和させる試みを続けてきたからこその発想。経年変化でゆっくりと「飴色」に変化していくハーマンオークレザー。シェリダンスタイルのフラワリーなモチーフ。意匠に仏花が用いられる西陣織。その完成度は、まさに写真に見るがごとく。2.5mmというレザーの厚みは、本来ならカバンやその持ち手に用いるような厚さです。オイル控えめ、繊維超硬のハーマンオークレザーがそんなに分厚いと、カービングしようにも刻印にものすごい力が必要ですし、カッティングしようにも刃がなかなか通りません。普通はまず用いないのです。でも「それだけの厚みじゃないと出せない掘りの立体感と、キレがあるんです」。そう言いながら、目の前で「トントントントン……」と精密なリズムで悠々と刻印していく……ように見えて…愛用なさっている「改造」ハンマーをちょっと持たせて頂きました。ちょ… お、重い……「普通は」もっと薄いレザーを使うという理由がよくわかりました。濱崎さんも、ひどいときには作業後に肩の感覚が無くなっていることもあるんだそう。ちなみにちょっと残念というか、誤算というか…レザーといえば「飴色のムラ」や「カード跡」といった、経年変化で現れる味わい。濱崎さんの作品ではその経年変化がどう現れるのか、数年使ったものでエイジングの具合をたしかめさせて頂こうとも考えていたのです。が!写真の通り(3年間使用したもの)、内側は無事(?)に変化が始まっていますが、ただ、外側に関しては木のごとく堅くて乾いているため、外側のエイジングがはっきりと分かる作品がまだ今のところないのだそう。本当の『一生もの』って、こういうもののことを言うんですね。すみません……なにせ『一生もの』の作品の紹介なので、つい説明も長くなってしまいました。ご購入をお考えの方は、カラーバリエーション「tan」「red」「green」「light gray」「black」「mahogany」「dark brown」からお選びいただいた色を、カート内の『備考欄』にご記入願います。(その他、意匠、名入れ、仕様など、ほぼフルオーダーにてのご注文もこっそり受け付けております。その場合は別途お見積りさせていただきますので、ページ↑のお問い合わせフォームからメールを送っていただくか、あるいはお気軽に当社へお電話ください。営業時間:平日10:00〜5:00、土日祝日は休業。ココショク事務所の電話番号は045-877-6303、合言葉は「カービングで仁王」です。)最後になりましたが、上記の通り『手造り中の手作り』のため、ご注文いただいてからお届けまで、最長で一か月ほどお待ちいただくかもしれません。作品をお待ちいただく間に、濱崎さんが素晴らしい技術で「トントントン…」と刻印を進めている様を楽しみに思い浮かべて頂ければ、嬉しい限りでございます。ご購入の際の注意点※洗濯機の使用不可※ご注文いただき、カラーをお選びください。(備考欄にご記入ください)※オーダー品になります。ご注文いただいてからの制作ですので、お届けまでお時間をいただきます。また、細かいデザインのお打合せなどさせていただきますので必ずご連絡させていただいております。(フルオーダー・名入れ等可能。別途お見積り)

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